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私の日常をご覧にいれましょう


by happaya-d

靴の記憶

実家のアトリエで仕事をしている時に、父が現れて
「お前の靴、もういらないのがあれば整理したいんだけど」と。
もう私のものなのか母のものなのかもよくわからないほどゴチャゴチャしているらしい。
見れば私自身も記憶が怪しく、確かに自分で買ったものならわかるけれど、人からもらったものなどは本当に覚えがなくなっている。
演劇に使えるかもしれないからという理由で頂いたものは面白いデザインの靴も多いが、実際普段は履くことがないため不思議なほど見覚えが無い。
そんな中、父がさらに不思議なことを言ってきた。

「それにしても、あの靴どこ行っちゃったんだろうなあ。お前が結婚する前に買ってやった高い派手な靴。いくら探してもないみたいだけど、どうしたんだろう。」

ぜんぜん覚えていない靴エピソードだ。
「高いって、どのくらい?」
と訊くと、
「もう、かかと15センチくらいはあった。」
なんだ、そっちの高さか。
値段は2万円ほどらしい。
靴としては普通だが、それでも万単位のものを親に買ってもらって全く記憶がないのも困りものだ。
「派手って、何色?」
と訊くと、
「ベージュだったか茶色だったか…。」
派手というわりには大人しい色だけど、デザインに特徴があるらしく、私はそれが気に入ってほしいと思ったとのこと。
だったらなぜ買った記憶も履いた記憶もないのか…。

父の言うには、私はその特徴的に高くて派手な靴を買ってもらった直後に今の夫と結婚すると言い出したらしい。
夫は私より背が高いけれど、その特徴的に高い靴を履いてしまうとバランスがとれないため、もうあまり履けないわと言ったという。
結局その靴を履いたのは1度か2度だろうと父は言うけれど、それにしてもそんな理由で気に入った靴を履かなくなるだろうか。

かかとが高くて、ベージュか茶色で、特徴的なデザインの2万円くらいの靴。
私なら確かに選びそうな気がするけど…。
さらに父は不思議発言の上塗りをした。

「だいたい、その靴だけじゃなくてもう一足買ったんだ。それも見当たらない。」

もう絶対違うと思う。
いくらなんでも、二足も親に買ってもらって少しも記憶がないなんて恐ろしすぎる。
それも1000円の健康サンダルや長靴ではないのだ。
2万円を二足。
どうしよう?
私大丈夫だろうか?
それとも父の心配をしたほうがいいのかな。

画像はだいぶ前に描いた靴。これは覚えている。母のもので今はもうない。
靴の記憶_e0127286_3302082.jpg

by happaya-d | 2014-10-15 03:34 | 日常